「異常」が「日常」

毎年のように繰り返される異常気象――もはや「異常」が「日常」となり、「例年通り」が異常という、なんとも不思議な気候になってまいりました。
皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

7月の栃尾又温泉では、夏の風物詩「夕立ち」が始まる季節となります。夏の暑い夕暮れ時、ふいに降り出す雨とともに、乾いた土と雨が混ざり合った、あの独特の「夕立のにおい」が立ちのぼると、「ああ、夏が来たのだな」と実感します。

この時期は、冬とはまた違ったかたちで、自然の力強さや驚異を感じる季節でもあります。近年は温暖化の影響か、昔に比べて降雨量が増えており、時に鉄砲水のような激しい水の流れが発生することもあります。

画像は、昨年の集中豪雨の際に撮影した「したの湯」付近の様子です。私たちはお客様の安全を第一に考え、雨天時には常に沢の状況に目を配り、一定の基準を設けて、早めの避難対応ができる体制を整えております。

自然の恵みと脅威は、いつも背中合わせにあります。自然には「良い・悪い」という評価はなく、ただそこに在るもの。それを理解し、温泉とお客様とをつなぎ、ともに歩むことが、私たち湯守の役割だと心に刻みながら、今日も一日、お迎えの準備を進めてまいります。