まとめブログ「ひとり旅」のススメ

自在館の現代湯治食

湯治「とうじ」という言葉を耳慣れない方も多いと思いますが、古来より日本に伝わる温泉文化です。昨今では、「現代湯治」や「新湯治」という新たな切り口として注目が集まっています。そもそも、湯治とは?現代湯治って?どんなことするの?などなど、気になるポイントをご紹介してまいります。気になる項目から、ご自由にご覧下さい。

 

①そもそも、湯治とは?

②そして、現代湯治とは?

③どんな人が現代湯治にいくの?

④現代湯治、食事はどんな感じ?

⑤現代湯治、お部屋ってどんな感じ、古くて、汚くない?

⑥現代湯治って、なにすればいいの?

 

①そもそも、湯治(とうじ)とは?

湯治(とうじ)とは、一般的に温泉に入浴し療養をすることを指します。

昔は今のように医療が発展しておらず、温泉に傷や病を治す力があると考えられておりました。もちろん現代においては科学的に、温泉の効果が実証されていますが、まだ科学の知見のない時代、温泉は人々にとって「不思議な力」だったのです。怪我や病気の治癒のためにたくさんの人々が温泉に湯治をしました。

ちなにみ、当時の日本(江戸時代末期まで)は病気は悪い「気」によって、かかるもので、病気の治療に「除霊」をしたり、神社やお寺で身を清めてもらうなど、していたそうです。昔はそれが普通だったのです。もちろん、現代人と同じく、「観光」という側面を持ち合わせていたことは変わりません。

明治大正時代になると、西洋医学が日本に急激に流れ込み、病気や怪我、は病院で治すもの。という認識に徐々に移り変わってゆきます。また、農閑期の疲れをいやす農業を営む方々にとってのリゾートのような位置づけもあったようです。

現在では湯治(とうじ)を「ゆじ」と10人中6人は読み間違うほどに、温泉で療養をするという文化は人々の認識から離れてゆきました。しかしながら、温泉、に対して求めるものは形を変えただけで、日本人が温泉を愛する心はいまだ変わらず受け継がれているように思います。

現代では、病気療養の方も、もちろんいらっしゃいますが、病院では病気と診断されないものの、体に不調を抱える。または、病気を予防されたい、未病対策の方。日々の精神的な疲れを癒したい方、こういった方々が湯治に訪れています。

湯治とは、昔々、温泉に怪我や病気の回復を願った、日本人の心の文化なのです。

昔の栃尾又温泉、浴槽には所狭しと、人が入っていた。大正時代、このころもまだまだ病気や怪我の療養という目的の方は多く来られていたとのこと。湯治といえば、1カ月以上の長期滞在が一般的だったという。
こちらも同時期。人、人、人、、、、、
当時、湯治場には今でいう「リゾート」のようなイメージが醸成されつつあり、農家の方々の1年の労を労う意味合いで、楽しみながら過ごしていた。弓道場やなどもあり、娯楽としての側面も持ち合わせていたという。
大正時代の栃尾又温泉、食事は基本的には自炊。野菜などの食材を売る人もおり、皆自炊をしていた。見知らぬ人との相部屋も珍しくなく、一人一品を作り、皆で交換し合ったりと、食を楽しんだそう。